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* 翌朝。 「水野さーん! おっはよー!」 登校して教室に入ると、昨日みたいに、庄野さんが明るく手を振ってくれた。 「……おはよう……」 庄野さんは、何も悪くない。 森山くんが庄野さんを好きで、庄野さんもきっと森山くんのことを好きで……。 悪いのは、相手を間違った私ひとり。 分かっているのに、気持ちが追い付かなくて、私は庄野さんの隣を急いで擦り抜けた。 「え? え? あれ?」 背中から、戸惑う声が届く。 私、最低だ……。 庄野さんが話し掛けてくれること、本当はずっと嬉しかったのに。
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