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昨日までなら、すぐに自分の席に行くところだったけど、逃げるように友達のいるところへ行く。 「ミカちゃん、おはよう」 「あ、おはよ、茅奈ぁー」 友達の話に耳を傾けながら、横目で自分の席を見る。 「!」 森山くんと目が合い、反射的に顔を背けた。 私のこと見てる……の? いつから? 背中に視線を感じる気がする。 「あれ? それ、生徒手帳じゃん? お前無くしたって言ってなかったっけ」 宮本くんの声に、耳がぴくっと反応する。 「うん。机ん中にあった」 またチラッと目を横に動かしてみると、森山くんが生徒手帳を手にしていた。 それは、昨日の放課後まで私が持っていたもの。
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