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目だけを動かして、隣を見ると、 「水野」 「っ! はい」 名前を呼ばれ、体が強ばる。 続けて何を言われるのかと緊張していると、ゴツッ! と鈍い音がして、 「いいい……いって……、マジで……」 「森山ー、お前は授業妨害すんのが趣味なのか?」 いつの間にか居た授業担当の男性教諭が、拳で森山くんを殴った。 森山くんは痛さでうずくまりながら、 「せんせ……、空気読め……、マジ」 余裕がないのか、途切れ途切れのタメ語。 「今日はお前を中心に当てるからな」 「は!? ふざけんな!」 「先生には、敬語」 ちょっと責任を感じる。 でも、先生が来てくれて良かった。
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