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避けて、避けて、避けて、あっという間に、もう放課後。
ホームルームが終わると同時に、席を立つスタンバイをする。
「じゃあ、ホームルームは終わりです」
担任の先生の言葉が終わるか終わらないかのギリギリのところで、
「――水野!」
隣から、バッ! と素早く腕が伸びてきて、掴まれた。
「えっ、え……」
大きな叫び声だったから、クラス中の皆がこっちを見てる。
森山くんは、そんなことは気にせず、私を真っ直ぐ見ている。
「ちょっ……と、俺と話しない?」
「あの……」
「するよな?」
口調は穏やかだけど、口も逆三角を形作っているけど、顔は笑っていない。
「やっと捕まえた」
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