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森山くんは、男子三人を睨んで、低い声で一言。
「帰れ」
男子は三人同時に一瞬怯え、この場から離れていく。
「何だよ、バカ。冗談だよ」
「じゃあな、智宏。バカ」
「バーカ」
順番にバカにした後、三人は教室を出た。
「……あの野郎ども」
隣でボソッと呟く。
……野郎ども。
しばらくすると、教室から私たち以外は誰も居なくなり、シーンと静まった。
廊下の騒めきが、一層静寂を際立たせる。
「あのさ……」
声をかけられ、緊張で身を固める。
さっきから口調が怖いから、尚更。
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