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「もしかして……聞こえた?」 「……聞こえた」 「っ! か、帰るっ! さよなら!」 「はっ!? ちょ、ちょっ、待っ!」 告白が聞こえていなくても、どっちにしろ私の気持ちは発覚していたわけだけど、恥ずかしくて席を立つ。 ゆるく掴まれていた腕にまた力がこもって、逃げることが出来ない。 「ごめんなさい! 分かってるから。庄野さんとのこと、邪魔しようと思ってるんじゃないの!」 口ではそう言っても、割り切れない気持ちが涙になって零れる。 森山くんのことが好き。 でも、私は、邪魔者でしかない。 だから、この気持ちは消さなきゃいけない。
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