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「だって、森山くん、私のこと嫌いなんじゃないの?」
「は? なんだそれ」
「よく睨んでたから……」
「う」
森山くんは、真っ赤に染まった顔を背け、口元を手の甲で隠した。
「睨んで……ない。水野にこっち向いてほしくて、見すぎたっつーか……」
……あれが?
私的には、蛇に睨まれたカエル状態だった。
そんな、自分に都合のいい理由だなんて、思いつきもしなかったわけで……。
「宮本くんに、私のこと可愛くないって言った……」
「おい、それ盗み聞きしてただろ。そんなもん、ライバル増えたら困るからだろーが。水野は、密かに男子に人気が……、てか、どこまで言わせんだよ、アホ」
アホ……。
罵られたはずなのに、私の顔は緩んでいる。
ずっと、森山くんが真っ赤だから。
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