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山賊の撤退を確認したクレハは村の前で会った少女と村の中央にあるという村長の家に向かって歩いている。
村の前で出会った女性、名をルゥ・ラ・ルビィと言うらしい。
伸長は160を少し越えたところで水色の髪を肩まで伸ばし、
前髪を銀色ピンで留めている。
出会った時は容姿を気にする余裕もなかったけど、
改めてみると輪郭もキリっと整っていて凄く美人だ。
一応貴族何だとか。
没落してから祖父がこの村の領主を任されひっそりと暮らしていたとのこと。
それじゃあ殺されたお父様って…
ルゥ「クレハくん。村を助けてかれてありがとう」
クレハ「あ…うん。無理に明るく振る舞おうとしなくてもいいんだぞ。」
ルゥ「ううん。お父様は私を守って死んだの。
何時までも下を向いたままじゃ私を守って死んだお父様が報われないよ。」
そんな言葉を聞いていると胸の奥が締め付けられる。
何でもっと早く駆け付けることが出来なかったんだろう。
そんな思いばかり募ってしまう。
俺と同じ思いをさせてしまった。
大切な人が無くなる悲しみを、二度と会えない絶望を。
力があれば、もっと強力で絶対的な力があれば、全てを解決出来たのではないのだろうか。
村が山賊に襲われることを遠距離から察知し瞬時に殲滅出来る力、そんな力が欲しかった。
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