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ルゥが僕が山賊の頭を倒した事情を説明していると屋敷の中へ案内された。
応接の間では現当主のルゥの祖父が顔を真っ青にして直立不動で待ち構えていた。
村長「クレハ様!
本日は村を助けていただきありがとうございます!
生け贄の娘と供物は出来るだけ御用意致しますので
今回はそれで御容赦下さい」
(お礼を言われているのは分かるがそのあとの生け贄や供物ってどういうことだ。
この世界の住民は村を助けたら女と金を要求するのが常識なのか。
さすがに俺にはハードルが高すぎるぞ。)
クレハ「ぇっと、話が見えないのですが」
村長「クレハ様は鬼人様ではないのですか」
クレハ「鬼人様とは?」
村長曰く、
鬼人様とは5年ほど前に西からやってきて
この辺り一帯の国を武力を持って攻め落とし、
新オーガ帝国を立ち上げた、この国の支配者の一族とのこと。
黒い近い髪の色をしており、
一人で王宮魔術師100人分を越える魔力を持ち、
体長は2mを越え鋼のような肉体をしていてその殆どが男ようである。
最近では見かけないが5年前は頻繁に村を訪れ
生け贄に娘を連れ去っていたという。
拒否をすれば町でも村でも関係なく攻め滅ぼされたが
生け贄を捧げれば他国や魔物から守ってくれていた。
鬼というわりには角はなく
人間の上位種と考えられていると説明してくれた。
ここでこの世界に来てからここ5年間で大きな変化が訪れたことをクレハは初めて知った。
(これは色々調べて見る必要があるな。
俺にはこの世界の常識が掛け過ぎている。)
この混乱の引き金をクレハが引いたことを本人はまだ気付いていない。
それはアリアが5年もの間隠していたことであり、
アリアがクレハを思ってのことだった。
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