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村長「山賊が西から黒髪の鬼が出たと叫びながら逃げていきましたので鬼人様が助けに来られたのかと。」
クレハ「残念ながら私はその鬼人様ではありません。
普通の人間です。
力にならなくて申し訳ない。」
実際のところ今回は感情に任せて暴れただけであって、魔法も使えず、
武器も持たないクレハに攻撃力はなく、返り討ちにあわなかったのは奇跡と呼べた。
事実道中猪に出会った時はクレハの攻撃が一切通用せず逃げ回っていたのだ。
代わりに相手の攻撃もスキルによって通用はしないのだが、
無限に魔力があるわけではないクレハは、
あのまま戦っていれば、何時か魔力切れを起こし簡単に死んでいただろう。
村長「そんなことはない。山賊共を撤退させたのは紛れもないクレハ殿だ。村人一同心から感謝しておるよ。」
ルゥが話に区切りがついたことを見計らって声をかけてきた。
ルゥ「クレハ様。
もしよろしければ今晩泊まっていかれてはいかがですか。
外も暗くなってきていますし山賊の襲撃があった後では宿を探すのも大変でしょう。」
(クレハくん逃がさないよ。)
村長「そうじゃそうじゃ。今晩とは言わず暫く泊まっていくといい。
山賊がまたいつ襲ってくるかもわからんでの。
村としてもクレハ殿が居てくれるだけで心強い。」
(もう一度村が襲われたら一貫の終わりじゃ。何としてもクレハ殿には村に留まって貰わなくては。)
クレハ「なんかすみません。お言葉に甘えさせて頂きます」
正直長距離を歩き続け、戦闘までしたクレハは疲労困憊ですぐにでも寝たいのだ。
(一晩ぐらいお世話になっても罰は当たらんだろう。とにかく眠い)
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