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少しだけ目が覚めて、大きな欠伸を黒いパーカーの長い袖に隠す。廊下には雨で部活がなくなった奴やこれから何して遊ぶか悩んでる奴とか沢山の生徒で溢れ返っていて、鬱陶しいと眉間に皺が寄る。そんな僕を振り返って苦笑を零す総。
下駄箱についても生徒の数は変わらず鬱陶しいことこの上ない。
「邪魔」
思わず零れた本音に目の前でふざけてた男子が小さな悲鳴を上げて逃げていく。色々可笑しな噂が飛び交ってる僕がいたからか、それとも不機嫌丸出しの空気を感じ取ってか、どちらにしろ女の子の顔見て悲鳴とか男として最低。
「そんなに殺気立たない。皆怖がってんじゃん」
そう言って呆れたような顔をする総。そんなこと言われても、寝起きで更に人ごみの中歩いてきて、ご丁寧に僕の下駄箱の前でふざけてる奴らがいるんだよ?僕はそんなに気が長い方じゃないし、邪魔なものは邪魔なんだもん、仕方ないじゃん。
総は僕が何思ってるのか分かったようで呆れ顔に諦めたような溜め息までついてきた。
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