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「──可愛い、綺麗」
「飼いたい?」
思わず呟けば総が二匹を抱えてこっちを向いて聞いてくる。それに子猫を見つめたまま思い切り頷けば小さな笑みと共に二つ返事で許可が下りる。
「いいの!?」
「いいよ。けど、俺は一ちゃんの世話で手一杯だからこの子たちは一ちゃんが見てあげてね?」
「うん!」
大きく頷けば総の傘を奪われて、代わりに真っ黒い方の子猫を渡された。小さく震える毛玉を少しでも暖かいようにとブレザーの胸元に仕舞い込む。総も同じことをしていて、思わず二人で微笑む。
「寒そうだしさっさと帰って温めてあげよう」
「うん。てか、僕も寒い~」
「そうだね、早く帰らないと一ちゃんも風邪引いちゃうし」
クスクス笑われてそれが僕にもうつって、二人で子猫を気にしながら少し早歩きで帰り道を進んで行く。
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