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「まったく……ほら」
小さな溜め息が降ってきて、手を引いて起こされる。そのまま手を引かれて洗面所まで連れていかれる。
「ほら、顔洗って」
「ん~」
言われるままに顔を洗うとちょっとだけ目が覚めた。鏡に映る自分の寝癖の酷さに眉間に皺を寄せていたら今度は居間に連れていかれた。
「はい、ご飯さっさと食べて」
「ん~」
僕がご飯を食べている間に総は寝癖を直してワックスでセットまでしてくれる。だから総と同じ髪型の出来上がり。
朝御飯を食べた後は完全に目が覚めるから着替えてちょっと崩れた髪型を直して総のところに戻る。その間に総は食器の片づけをしてくれる。
「総、おはよっ」
「おはよう、一」
総の広い背中に抱き付いてあいさつしたら満面の笑顔で挨拶を返してくれる。
僕らの一日はいつもこんな感じで始まる。
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