第1話

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他人から売られた喧嘩は買うのが礼儀── そんな考えの僕は上級生だろうが他校生だろうが、絡まれれば3倍ぐらいに熨斗つけて返していたら、僕らが暴力団だとかヤクザだとかの子供又は関係者ってことになっちゃってたりする。 お陰で僕らにまともに近付いて来ようとするやつはいない。それは嬉しいことだからどうでもいいんだけど……。 学校はつまらない。だって総と同じクラスじゃないから。 「じゃあまた、昼休みにね」 「ん、またね」 教室に入ると窓際の一番後ろの席に座ってヘッドフォンでお気に入りの曲を聴きながら空を眺める。いつ雨が降ってもおかしくないような分厚い雲。 ──これじゃあ桜が散っちゃうなあ せっかく満開になった大好きな花を机に突っ伏したまま、何を考えているわけでもなくぽけーっと眺める。 .
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