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「一ちゃん」
「総?あれ、なんで?」
ぽけーっとしすぎていたみたいでヘッドフォンを取られたと思ってそっちを睨みつけたら目の前に総の顔があった。
「そんな怖い顔しない」
「う~、ごめん」
「もう昼だし。ほら、食堂行こう」
「ん」
二人で並んで食堂まで行く。
「また授業聞いてなかったんだろ」
「そういう総も聞いてないでしょ?」
「まあね。それにしても雨すごいな。これじゃあ桜散りそうだな」
窓の外を見ると大粒の雨が降っていた。
「雨かぁ……ヤダな」
ぽつりと愚痴を零せば総はその小さな言葉を拾って頭を撫でてくれる。その感覚に甘えて暫く撫でて貰った。
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