第1話

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運命の日。 県立坂田北高校の、合格発表。 「1023、1023……」 あれ、ない、のかな……? 合格者の番号が霞んで見える。 いつまで経っても、私は自分の番号を見つけられずにいた。 「おかしいなあ……」 「何してんの?」 感じの悪い男子に声を掛けられて、私はむっとした。 「何よ。見つけられないの。ちょっと待ってよ。」 そいつは黙って私の受験票を覗き込む。 「1023?あるじゃん。」 「えっ?」 もう一度紙を見る。 ぶれて、重なって見える文字の向こうに、1023という数字が浮かんできた。 「あ、あった。」 「真衣~!どうだった?」 「あったよ!」 「やったー!!」 親友の絵梨が飛びついてくる。 なんだろう、この気持ち。 言葉にできないけど、なんだかすっごく嬉しいよ。 「私、北高受かったんだ……。」 「そうだよ!真衣!私たちおんなじクラス。三年間ずっと一緒だよ!」 「絵梨!やった!!」 今度は私が絵梨に飛びつく。 やっと、やっと少し実感がわいてきた。 私が、憧れの北高に受かったんだということ。 この四月から三年間、ここに通えるってこと。 そして、先輩とおんなじ部活に入れるってこと……。 「北原!」 振り返ると、そこに憧れのあの人がいた。
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