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入学式の前に、クラスごとに教室に集まった。
私は絵梨と同じ4組。三年間固定のクラスだ。
夏休みまでは出席番号順の席で生活するらしい。
私は自分の席について、ふと隣を見た。
「あ……」
楽しそうなクラスの中で、一人つまらなそうに頬杖をついている男子。
私はその人に見覚えがあった。
「あのさ、何見てんの?俺、なんかおかしい?」
見ていたら急に向き直って、彼は怒ったように言った。
「ううん。そうじゃなくて。……よろしくね!私……」
「あのさ。俺、興味ないから。」
「は?」
「俺、人間に興味ないから。」
そう言い放って、彼は机に突っ伏した。
やっぱり嫌な奴。そう思う。
あの合格発表の日に、私を急かしてきた男。
第一印象からして感じ悪かったけれど、これは本物だ。
「いいですよー。別に。」
私は口をとがらせてそっぽを向いた。
夏休みまでの辛抱だ。そしたら、席替え。
右側を向かなきゃいいことだし。
こうして私の高校生活は本格的に始動した。
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