第1話

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*  *  *  *  *  *  *  *  *  * バスケ部を続けることは、もうとっくに心に決めていた。 バスケが大好きだから。 何があっても、必死に体を動かしているといつの間にか忘れてしまう。 それに、お父さん譲りの運動神経の良さは、私の誇りなのだ。 中学生の時も、一年生の頃から試合の選抜メンバーだった。 ディフェンスからするりと身をかわして、たった一つのゴールを目指す。 風のように走り抜ければ、誰もついて来れない。 そして、最後に正確にシュートを打つ。 絶対に外さない自信があるんだ。 放課後は、絵梨と一緒に部活見学をすることにした。 体育館の熱気が、私のバスケに対する情熱を呼び覚ましていく。 中学3年生の夏に引退してから、ほとんどバスケとは無縁の生活を送っていたから。 でもやっぱり、バスケがしたくてうずうずする。 女子バスケ部の小気味のよい掛け声が響く中、私は期待に胸を震わせていた。
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