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久しぶりに思いっきり体を動かして、家に着くころには心地よい疲労感に包まれていた。
「ただいま!」
「真衣、おかえり!」
「お姉ちゃんおかえり!」
「真衣姉ちゃん、おかえり!」
「おう、真衣!」
「おかえり、姉貴。」
みんなの笑顔がはじける。
私の自慢の、仲良しの家族だ。
お父さん、お母さん、それから一つ下の妹、恵。二つ下の弟、勇樹。そして九つも年が離れている、可愛い末っ子、香奈。
両親は自営業のパン屋さんを経営している。
最近では町で人気のパン屋さんになり、至る所からお客さんがやってくる。
売れ残るパンがほとんどない日だってあるくらいだ。
料理上手の母はいつもおいしいご飯を用意してくれるし、家族思いの父はたまに週末店を閉めて連れ出してくれたりする。
四人兄弟でこんなにも幸せに暮らせているのは、そんな両親のおかげなんだ。
「真衣姉ちゃん、今日ね、小学校でね、」
「姉貴、今日さ、」
「お姉ちゃん、聞いてよ、」
「待って待って。まず香奈ちゃんから。」
かけがえのない家族。
こぼれる笑顔。
この幸せが続くならば、私は何でもできる。
長女だから、しっかりしなくちゃといつも思っていて。
出来の良い姉だと褒められるけれど、そうじゃない。
こんなに素晴らしい家族がいるから、だから私は頑張れるんだ。
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