To Love Mail

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「…………は、」 痛い。 さっきよりも病状が悪化している。 視線をさ迷わせると、すぐ横には赤司の携帯電話があった。 (玲央か…) ぼんやりと眺めながら眠りにつく前のことを思い出した。 そして窓の方を見ると、すでに外は暗くなっていた。 かなりの時間を眠っていたことが分かった。 赤司は携帯を開き、メールを作成しはじめた。 大切な人に送るために。 メールを送信したことを確認し、赤司はまた眠りについた。 それから赤司は二日間寝込んでいた。 思った以上に治りが遅く、部活も続けて休む羽目になった。 監督からは赤司自ら説明し、謝罪をしたが、 『謝るな。この機会にゆっくり休め。』 そう言われ、監督の言葉に甘えて体調を落ち着かせることにした。 洛山の選手たちも赤司の見舞いをしにやって来る時もあった。 寝込む赤司を見ることなどない選手たちはただ驚いていた。 だが、 肝心の人から連絡が来ない。 忙しかったのだろうか。 向こうにも都合があるだろう、そう考え、悪いことは考えないようにしていた。 パタンと携帯を閉じ、赤司はベッドに横になった。 明日は学校もあるし、部活にも参加するつもりだった。 倒れた日よりは幾分良くなった。 これ以上休む訳にはいかないし、休むつもりもない。 今日は早めに寝よう。 そう思った赤司は瞼を閉じた。 『……し、……かし、』 ────── また、この夢か 『……んで、俺…ない、』 ────── 聞こえない 『俺、じゃダメなの?』 ────── そんな顔をしないでくれ 『光輝』
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