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「テツヤ、どういうことだい?」
『赤司くん、メール送ったのはいつですか?』
「三日前だが…」
『倒れたのは?』
「三日前だ。」
『…分かりました。』
黒子は何が分かったというのだ。
赤司も降旗も何も理解できないまま、じっとしていた。
『つまり…』
黒子が説明したことはこうだった。
赤司が倒れた日にしたメールは間違って黒子のほうへ送ってしまったのだという。
確かにあの日熱のせいでメールを打つこともぼんやりしていて、宛先までちゃんと確認することができなかった。
降旗に送るはずのメールが黒子に。
そして何故三日後になって赤司が倒れていることが分かったのか。
それはとても単純で、とても呆れてしまう理由。
メールのサーバー不具合か何かだろう。
それが黒子の見解だった。
『確かなことは分かりませんが、まれにありますからね。何日か後に届くこと。』
「そうか…すまないね、テツヤ。」
『いえ、大丈夫ですよ。それと、赤司くんが降旗くんに送るはずだったメール、見せてみたほうがいいですよ。では、また。』
プツ、と切られた電話画面からメールを開き確認した。
確かにメールは黒子に送られていた。
気付かなかったなんて、
熱のせいだからといって降旗を傷つけていい理由にはならない。
自分のしたことを反省し、降旗に謝らなければと考えていた。
それより赤司はまず自分で内容を読み返し、そして静かに携帯を閉じた。
「何、なんて書いたの?」
「…読みたいかい?」
読んでも悪いとは言わないが、降旗が読んでしまったらきっと帰ってしまうだろう。
何かを察した降旗はううん、と首を振った。
「でも、オレの勘違いでよかった…。」
「光輝…、すまない。傷つけてしまったね。」
「ううん、いいよ。赤司の顔見れて嬉しい。」
赤司は一瞬思考が止まった。
まさか、そんなことを言ってくれるとは。
降旗は赤司の動きが止まった事を不思議に思い、自分の言った言葉を思い出した。
すると、自分の言葉に恥ずかしくなったのか慌てはじめた。
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