じ ゃ が い も

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「で、何処に行ってたのかしら?」 「市営プールで泳いでいた」 「愛想無いこと」 私はソファに腰を落とし、テレビの電源を付ける。 いつも通り、ニュースをみれば代わり映えのないことばかり話続け、チャンネルを変えてもいつか見たようなことしかしていない。 それに対して、この頃私は思うのだ。 私が見ているこの世界は何色なのだろうかと。 私には大体がモノクロに見えている。事実、そのせいか色の声を聞くことが少なくなってきている。 色の声が自身の感性に左右されるなら、世界に色を感じなくなって声が聞こえなくなるのは当然の話だ。 果たして、私はそんな世界で生きていくことが出来るのだろうか。 無色透明。 色のない世界に、色のある私が一人。 正気でいられる気がしない。 「また、考え事? モノクロに見えるなら私を見なさい、私の色は何色に見える?」 「…………ああ。大丈夫だ。お前だけだな、私を気に掛けてくれるのは」 「ふふっ、私の胸で泣いても良いわよ?」 いや、お前の胸は何処だ。 そう言いかけて、私は口をつぐむ。このことを言うと機嫌を悪くするからだ。
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