5人が本棚に入れています
本棚に追加
茶色のじゃがいもと、色で着飾った私。
そして合わせ過ぎて何色かも分からなくなった世界。
どちらを取るかと言われたら、迷わずにじゃがいもだと言いたい。だが。
実際、世界を取るかじゃがいもを取るかと言う話でもある訳で、そうなってしまってはすぐに――いや、じゃがいもとは言えないだろう。
「また考え事? 仕事以外に気になることがそんなにあるのかしら?」
「ああ……お前のことだ」
その言葉に、メイは頬(であろう場所)を赤らめる。一体何を考えているのだろうか。
「な、ま、まだ早いわ! そんな、ねぇ? それに貴方は私よりも良い人と出会えるわよ!」
「……? 私はお前のことを聞きたかっただけだが、どんな誤解をしているんだ」
その言葉でメイの頬の赤はみるみる消え、少し疲れぎみな声で「ああ……」と漏らした後少し震えた。
「……何が、聞きたいのかしら? 私はそんなに暇じゃないの、手短にね」
何故か見るからに機嫌が悪くなってしまったメイに、私は兼ねてから疑問に思っていたことを聞くことにした。
最初のコメントを投稿しよう!