じ ゃ が い も

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「この前ニュースでやってたのよ……確か『野菜に話し掛けると味が良くなる』とか何とか。それが本当なら、話し掛けるの延長線上にある会話と何か関係があるんじゃないかしら?」 「話は聞いたことがある。その線なら野菜に聴力――もとい感覚があり、感情があることになるな」 「でしょう? でも、その話自体の信憑性が無いのよね……」 「私が色の声が聞こえると言うよりは、信憑性があるだろう。その話は比較的長く言われている話だからな」 それを境に、私とメイは黙り込んでしまった。 この状況、私からすれば、情報が手に入ったは良いがそこから一体どう広げれば良いのかが分からない。 メイは推測だが、言ったは良いがその先を考えていなかったのだろう。 ある意味、進展無し。 そんな結果が脳裏をよぎるのは、遅くはなかった。 だが、私としてはそれで良かったのかもしれない。たとえもし今すぐにどうにかなると言われても、私は何もしなかっただろう。 今となっては、色が何だとそんな話はどうだって良いのだ。 私が知りたいのは、声が聞こえる理由。たったそれだけなのだ。
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