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「まぁ、……正式につきあってるわけじゃないし、別に」
何故か言い訳っぽく呟く私。
「でも好きなんでしょ?先輩」
「えっ!?」
“好き”という言葉に、まるで10代のように狼狽する。
いや、あの、とあたふたしている私を置いてけぼりにして、葵ちゃんが、
「先輩、こういう時は、試されているのかもとか、からかわれているのかもとか、そういう考えは捨てた方がいいですよ」
と、いつの間にか、また以前のごとく目に炎を灯して訴えかけてきた。
「え」
あれ?
葵ちゃん、さっきまで静かな口調だったのに……。
「疑心暗鬼になって悩んだり、相手の出方をただじっと待っていたりするのはナンセンスです。
好きになったのなら、女でも自分の方から行かなきゃ!」
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