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「先輩……」
「わっ、びっくりした。
何?葵ちゃん」
「顔、緩みっぱなしです」
月曜日の昼下がり。
デスクで頬杖をつきながら、ポーッとパソコン画面を見ていると、葵ちゃんに肩をツンツンとされ、ふっと我にかえった。
「土曜日のこと、思い出してるんですか?」
「そっ――、そんなこと……」
弁解しようとするも、今の今まで私の頭の中にいらっしゃったお方を思い浮かべると、完全に否定できない自分がいる。
お昼御飯の時間に、土曜日の出来事を葵ちゃんに律儀に報告した。
メイクとワンピースが台無しになってしまったことを謝ると、葵ちゃんは、結果オーライじゃないですか、と親指を立ててとびきりの笑顔を見せた。
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