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「あっ、あの、こんにちは! 道野ですっ! 今、お時間大丈夫ですか? えっと、質問っていうか、聞きたいことが2、3ありまして。 それというのが」 『わーーー、ちょっとタンマ! 一気に話し過ぎ。 なんなの?キミ』 「え?」 あれ? 私は受話器を一旦耳から離し、首を傾げてまた耳にあてる。 隣にいる葵ちゃんも、ハテナ?、って顔で私を見ている。 『キミ、吉川の顧問会社の経理でしょ? 吉川、ちょうど今食事に出ちゃって、そのまま巡回に行くみたいだからさ、しばらく帰ってこないの。 だから質問なら代わりに俺が受けようと思って』 「……。 えっと……」 『あぁ、名乗れって? 高迫(たかさこ)。 よろしく』 アハハ、と受話器越しに軽~い笑い声。
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