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「……」
同じ事務所でも、吉川さんとは全く違うタイプだ。
私は脱力し、無駄に緊張したことを悔いた。
『で?
聞きたいこと、どうぞ。
経理の処理のことでしょ?』
「あ……」
ヤバイ。
お昼休憩の時間だからいいかなって、簿記の質問をしようとしてた。
『ミスの上手い誤魔化し方でもOKよ』
「いえっ、あの、吉川さんに直接聞きたくて」
『……あー、そ。
そーね。会社の話は守秘義務があるもんね』
「は……はい」
電話の向こうでまた軽く笑っている高迫さんとやらは、
『じゃあ、吉川に伝えとくね、キミから連絡あったって』
と、ようやく言ってくれた。
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