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「あ、はい。助かります」 『道野さんだったよね?名前』 「はい」 ほんの少しの沈黙。 まだ電話切らないのかな?この人。 『上手くいってる?吉川と』 「え?」 一瞬ドキリとする。 この人、私と吉川さんの関係を知って――。 『キミでしょ?共犯者』 「は?」 共犯者? 何?私、犯罪なんて犯しておりませんが。 「な、んのことですか?」 『アハハ、大変だねキミも。 あんな女嫌いに付き合わされて』 ……? 女嫌い?吉川さんが? 「あの……」 詳しく聞くべきか、どうか。 そう思って言い淀んでていると、 『下の名前は何ていうの?』 と、高迫さんが間を詰めて聞いてきた。
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