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あぁ、どうしよう。は、歯磨きしてこなきゃ!
いや、電話なら必要無いのか。
というか、しばらく帰ってこないと言っていたから、かかってきても夕方くらいか。
先程の失礼な男のことはどこかへいき、折り返してくるだろう吉川さんからの電話に意識を全部持っていかれる自分がいる。
そんな私を見て、横でニコニコ笑顔の葵ちゃん。
「……私、恋愛、向いてないのかも。
上手にできないよ」
半ば負けを認めるようにそう言った私に、葵ちゃんは、
「上手にできる人はいませんよ。
いたとしたら、それは本当の恋愛じゃないです」
と、笑いながら言った。
後光が差しているようなその顔と言葉に、私は本気で拝みそうになった。
たまに暴走気味なのは別として……。
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