4696人が本棚に入れています
本棚に追加
「いえ……」
彼女は、吉川さんとつきあっていた、と噂の人だ。
「……」
ずーん、と鉛を飲んだような心持ちで、口に手をあてる。
いろんな憶測が頭の中を飛び交う。
仕事の電話?
いや、城田さんは退社しているからそんなはずはないし。
あ、でも再就職先での相談かな?
だとしても、こんな時間になんで?
やっぱり、2人は交際しているの?
じゃあ、何?
私は?
私のこの立ち位置は一体……。
「道野さん」
「へっ!?」
「着きました」
吉川さんの声にハッと我に返ると、外はいつもの公園の駐車場だった。
最初のコメントを投稿しよう!