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「あっ、はい!
ありがとうございました」
吉川さんは車を停車させてサイドブレーキを引く。
そしてエンジンはかけたままライトだけ落とし、自分のシートベルトをカチャリと外した。
後部座席に体を回し、ガサガサと何かを取っている。
「……」
先程のキスを彷彿とさせるような、体勢的にぐっと近付いたその位置に、私はまたもや赤面。
後ろに体を伸ばす吉川さんの首筋を直視できずに、ドキドキしながら下を向き、照れを紛らわした。
ゴク……、と生唾を飲んだ音、聞かれていないだろうか。
「これ、クリーニングに出して戻ってきたので」
体勢を戻した吉川さんから紙袋を手渡される。
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