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――ハッ。
気付いたら、吉川さんは食べ終えていた。
私はそれに気付いて、慌てて残り2分の1を食べようとする。
「いいですよ。
ゆっくり召し上がってください」
私の方の湯呑にもお茶をつぎ足しながらそう言う吉川さん。
しまった。
話に夢中になって、手と口を動かしていなかった。
私は、吉川さんの方にも話をしてもらおうと、話題を懸命に探す。
……あ、そういえば……。
「お昼に電話した時に、同僚の方とお話しました」
昼間の失礼な人を思い出し、吉川さんに話を振ってみる。
「あぁ、高迫ですね」
「はい。とても気軽に話してくださる方で」
失礼、とはダイレクトには言えず、遠回しにその軽さを表現する。
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