10

20/40
前へ
/40ページ
次へ
顔を洗い終え、鏡に顔を最大限に近付け、小鼻の黒ずみをチェックしていると、 「ねーちゃーん」 と、リビングから春人の声。 ヘアバンドを取り、何よ何回も、とブツクサ言いながらリビングの方へ向かう。 「ケータイ。さっきから鳴ってんだけど」 「へ?」 「あ、切れた」 部屋に入ると、テーブルに座って夜食を食べている春人が、私のケータイを持ってぷらぷら揺らしている。 テーブルの上に、マナーモードのままで置いていたから、気付かなかった。 着信?こんな時間に? もう11時過ぎてるんだけど……。 春人から受け取り、私はケータイの画面を開き、着信記録を見る。 ……が。 「ひっ!!」 思わず腕を突っ張り、ケータイから出来るだけ顔を離す。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4309人が本棚に入れています
本棚に追加