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「……えぇぇ?」 “城田さん”の文字が、私の目に飛び込んできたから。 何!?また? 今度は何なの? 心臓が嫌な汗をタラリと流す。 何故だか不吉な予感がする。 いや、不吉な予感しかしない。 「うわっ!」 再度画面を確認しようとした時、またケータイが振動を再開し始めた。 着信画面はもちろん”城田さん”。 「出ないの?」 テーブルの前で固まっている私に、春人が不思議そうに尋ねてくる。 「で……出るよ。今から」 まるで自分に言い聞かせているかのように言って、私は若干震える親指で通話ボタンを押した。 「は、……はい。 もしもし」
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