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次の日の土曜日。 午後2時。 会社の近くの“PUZZLE”という喫茶店で待ち合わせ。 誰とか、と言うと……。 「お待たせ。 ごめんなさいね、私が呼んだのに遅れちゃって」 城田女史。 薄手の高そうなジャケットを椅子にかけた彼女は、香水の匂いをフワリとさせて、私の前の席に腰を下ろした。 「いえ、今ちょうど2時なので……。 私が早く来ちゃっただけで……」 雰囲気がよくてホッとできる喫茶店で、何回か来たことがあるのだが、今の状況ではとてもじゃないけど落ち着けない。 私はおどおどしながら、テーブルの上のお冷を一口飲んだ。
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