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同時に、城田さんがそこまで言えるってことは、吉川さんと彼女はやはりそういう関係なのだと悟らざるを得なくなり、目の前が薄く曇る。 「私と彼、近々正式に交際する予定なの」 「……。 え?」 続く城田さんの意味深発言に、顔がもっと間抜けに歪んだ。 予定? 何それ。だってこの流れなら……。 「既にお付き合いされているんじゃなかったんですか?」 上目遣いで城田さんの顔を窺いながら、核心的なことを恐る恐る聞いてみる。 「いいえ。 私、冬に交際を申し込んで断られているわ。 女を信じることができないから、今の時点で交際や結婚は考えてない、ってはっきり言われて」 「……」 ええぇ? 断られている? ますますわけが分からない。
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