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城田さんのしていることは間違っているし、極端だと思う。
でも、最初は脅しだとしても、吉川さんが歩み寄ってお見合いまで了承しているのなら、2人でさぞかし確かな絆を築いてきたのだろう。
立派な交際予定だ。
何より彼女の情熱に、自分は勝てる気がしない。
私は吉川さんの過去や、女性不信の事実や理由、その他彼に関するあらゆることを知らないし。
何も、聞かされてもいないし。
「どういうつもりで吉川さんが叔父様にあなたの名前を出したのか分からないけど、あなたに負けるつもりはないし、正直、彼があなたに本気だとも思えないの」
「……」
「ねえ、道野さん。
あなたはどうやって彼をたぶらか――」
「つきあっていません」
「……え?」
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