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『ところでさ……』 一通り互いの近況報告をしたところで、城田さんの声のトーンが変わる。 『昨夜、誰かと会ってた……かな?』 きたーーーっ!!と思い、背筋がシャキーンと伸びる。 一瞬目を見開き、口も閉ざしたことで、笹原君と葵ちゃんも箸を止めて私を凝視する。 「な、なんでです……か?」 おそるおそる、さぐるように聞く私。 『え?あぁ、うん。 ちょっと。 ていうか、私が電話した時、道野さん外出してたのかなー、って思って』 私は確信した。 やっぱり昨日吉川さんの電話に出た時に、声を聞かれてたって。 「家に……いました、けど」 怖くてとっさに嘘をつく。
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