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『あら、そうなの?』 少し拍子抜けした城田さんの声。 『なーんだ、やっぱり気のせいか……』 続いて独り言のように呟いた城田さんに、私はタラリと冷や汗を垂らした。 「な、何か……?」 『あ、いや、こっちの話。 外にいるのにごめんなさいね。 それじゃ』 「は、はい。 失礼します」 ……。 胸にモヤモヤを溜めたまま、城田さんが電話を切ったのを確認し、私も通話を終了させる。 はぁぁぁ、と大きな溜め息を吐き切る前に、笹原君と葵ちゃんが、 「何だった!?」 「何だったんですか!?」 と同時に聞いてくる。 「……。 昨夜、誰かと会ってたか、聞かれた……。 多分、吉川さんの電話とった時、私の声聞こえてたみたい」
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