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夜7時。
いつもの家の近くの公園。
5分前に着いて駐車場から見えるベンチで待っていると、ジャスト7時に吉川さんの車が入ってきた。
私が座っているところのすぐ近くに停車した、その車。
腰を上げると、スーツ姿の吉川さんが眼鏡をしたままで運転席から出てきた。
多分、職場から直接来たんだろう。
髪もいつものように軽く固め、仕事モードの出で立ちだ。
「こんばんは。
待たせてしまいましたか?」
私が向かうより先に、吉川さんの方が私の近くまで来た。
外灯の明かりが、2人の影を真横に長く伸ばしている。
「いえ……、ついさっき来たので」
視線は合わさずに言った。
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