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「可愛らしい子だね。吉川君」 「……ふ。 そうですね」 ――え? 社長と吉川さんの会話に顔を赤らめ口をパクパクしたのと、周囲の、というかこの部屋全体の空気が7割方止まったのは、ほぼ同時だった。 一瞬、パッという……、いや、ザッという注目の音を聞いたような気がした。 ……ん? 一体何が……。 そう思って辺りを見回すと、みんなの視線は戻され、また一瞬でザワザワした雰囲気に戻る。 「……?」 ここでの会話がみんなに聞こえるわけもないしな……。 よく分からなかったが、私は一刻も早くこの場から離れるべく、社長に光の速さで挨拶と会釈をして、サカサカと自分の席へ戻った。
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