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でも、私にとって吉川さんの笑った顔は、既に見慣れた表情になっていたんだと気付かされる。
だってさっきも、狼狽はすれども、表情については気にも留めなかったから。
「ていうか先輩、大丈夫ですか?
吉川さんと少しは話しました?
キツくないですか?」
「え?
あ……、あぁ、ちょっとは……うん。
大丈夫だよ。ありがとう」
お話どころか、その前にトイレの前で、どえらいことされましたけどね。
葵ちゃんにそこまで詳しくは言えずに、ハハハ、と私は苦笑いをした。
正直、まだ頭の中が散らかっている。
宴会も終わりに近付き、進行役の社員が締めに入り出した。
吉川さんとはあれ以降接触は無かったけれど、高迫さんが今度は葵ちゃんにちょっかいを出しに来て、彼女も私同様少しぐったりしていた。
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