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「さ……笹原君。頭、……手」 くしゃくしゃにされたまま先程からずっと頭に置かれていた笹原君の手が気になり、小声で訴える私。 「道野。 ちょうどいいから、つきあってる、って嘘つこう」 え。 ていうか、高迫さんが言ったから、今でも十分そう思っているかと……。 そう思いつつも、笹原君の咄嗟の提案に、内心めちゃくちゃ慌てふためく。 「吉川さん。 先程の席ではご挨拶も無しにすみません。 笹原といいます」 頭に置いていた手をするっと下へ下ろし、今度は私の手を繋いできた笹原君が、吉川さんに向かって軽く頭を下げる。 手!笹原君っ、手っ!!
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