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「……。
こんばんは。存じ上げています。
貴方の営業成績は、目を見張るものがありますので」
寄り掛かっていた体を壁から離し、無表情を軽く傾ける吉川さん。
「あ……りがとうございます」
予期せぬ言葉をもらったからか、少し嬉しそうなトーンで礼を述べた笹原君は、ハッとして、改めて態勢を整えるべく咳払いを1つ。
「……で、あの……。
俺ら、付き合ってます」
うわっ!!いきなりっ!?
『俺ら』と言ったところで、繋がれている手を一緒に上に上げられて、バカップルみたいに間抜けな図を晒す。
勢い付いた酔っ払いは、向かうところ敵無しだ。
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