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「……」
無言、無表情、無反応の銅像のような吉川さん。
私の唾を飲み込む音が、その場に盛大に響いたような気がした。
沈黙の長さに、笹原君が上げている繋いだ手をゆっくり下ろした時、
「そうですか」
と、3人の真ん中に静かに置かれた、抑揚のない声。
……え?
「二次会、行かれないんですか?
もう皆さん移動されていますが」
そして流れるように続けられる吉川さんの言葉。
「え?
あ、あぁ、はい、行きます。今から。
吉川さんは参加されないんですか?」
明らかに拍子抜けした笹原君が、キツネにつままれたような顔で慌てて返す。
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