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そして、それと同時に振り返った笹原君に引き寄せられて、向かい合った状態で両肩を握られた。
「俺は、ちゃんと道野のことが、好き。
つきあったら、そんな顔、させない」
酔っているのは確かだけれど、その目は真剣そのもの。
両肩にかかる握力が、私を真っ直ぐ見る目が、ちゃんと言葉を信じられるものにしてくれる。
「いい加減、もう吹っ切れよ。
仕事できても、何考えてるか分からない男なんて、ましてや女を利用するような男なんて、ろくなことない。タチが悪い。
道野には不釣り合いだし、手に負える相手じゃないよ」
「……」
その通りだ。
反論の余地無し。
ていうか、反論する気力無し……。
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