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「忘れ物?」 「うん。 だから取りに行ってくる。 笹原君先に行ってて。 すぐ追いつくから」 「俺も行くよ。一緒に」 「いやっ、大丈夫! ほら、近いし。ダッシュで取ってくるから」 「おい、道――」 すぐに方向転換をして、笹原君の呼びかけに、大丈夫だよー、と小走りしながら振り向いて返す。 急がなきゃ。 そんなに経っていないから、もしかしたらまだあの辺りにいるかもしれないし。 1つ角を曲がれば、店までは細い路地一本道。 私は頑張って走って、なんとかさっきの店に辿り着いた。 「はぁっ、はぁっ……」 店の前で、肩で息をしながら呼吸を整える。 運動不足の上、お酒が入っているので、軽く眩暈を伴った。
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