14-2

3/35
前へ
/35ページ
次へ
……うん。まだ吉川さん、戻ってきてない。 今のうちに……。 どのみち行かなくてはいけないので、吉川さんがいない時に素早く行って済ませよう。 そして、吉川さんと高迫さんにはさっき話をしたから、それが挨拶だということにして、お酌はもう必要ないや。 「……よし」 勝手極まりない思考回路で、自分を無理やり納得させる。 だって、あんなことされた後で……。 そう思い返したところでまた顔から湯気が上がりそうになったので、頭をブンブンと振って社長のもとへ急いだ。 「……社長。 お疲れ様です」 社長の席の隣は吉川さんの席だから、反対側から低姿勢で会釈し、社長の顔を覗き込みながら声をかける。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3800人が本棚に入れています
本棚に追加