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そんなことを考えながら車を走らせていると、いつの間にか道野結月の会社の近くまで来ていた。 そして、タイミングよく、歩道に彼女の後ろ姿を捉える。 ……ついでに、隣で自転車を押す、見覚えのある男の後ろ姿も。 「……」 あれは、笹原祥太だ。 ハザードランプを点滅させ、徐行をして歩道側に車をつけながら、小さく息を吐く。 遠目からでも分かる、道野結月の俺に対するそれとはまるで違う、柔らかい雰囲気。 自然な笑顔。 「……」 俺は、爪でハンドルを3回ほどカツカツと叩く。 そして再度息を吐き、気付くと、短くクラクションを鳴らしていた。
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